ふと、ばぁちゃんの事を思い出した。
ばぁちゃんが死んでから何年経つだろう。
私が小さかった頃のばぁちゃんは、
元気で勝ち気で素敵な明治の女だったように思う。
入院したばぁちゃんは凄く小さく見えた。
ホントに少女に戻っていた。
ばぁちゃんには娘は居ないのだが、私の母だけを頼り本当の娘だと思っていたようだ。
母は、もちろんばぁちゃんの死に目に逢えた。
昼間に母から『おばぁちゃんの調子が良くないから出来たら帰って来て』
と電話があったのだが私はどうしても休めずその日も歌っていた。
ばぁちゃんゴメン。
今度夢で逢えたら、ばぁちゃんに謝ろう。